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神谷 潤一郎; 高野 一弘; 油座 大夢*; 和田 薫
Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.3471 - 3474, 2021/08
J-PARC加速器ではチタン材を低放射化性能を持つ超高真空材料という理由からビームライン真空ダクトの材料として用いている。チタンは気体分子を吸着するゲッター材であるが、通常表面が酸化膜に覆われておりゲッター機能は持っていない。この酸化膜を除去することで、ビームパイプ自身を真空ポンプとして活用できる可能性がある。これによりビームラインが連続的な真空ポンプとなり超高真空を安定的に維持することができ、加速器真空システムのさらなる高度化に帰することとなる。実験によりアルゴンスパッタリングによって表面チタン酸化膜を除去することができ、10Pa台の超高真空を達成することができた。さらに加速器にインストールするために避けては通れない大気暴露による性能劣化を防ぐために、スパッタしたチタン表面に低温ゲッター材をコーティングを実施することを発案した。スパッタおよびコーティングを施した試験機について、10回以上の大気暴露を繰り返しても、ゲッター性能が維持できることを実証した。本発表では、チタン製真空容器をゲッターポンプとして用いる手法とその実測結果について報告を行う。
芳賀 芳範; 本間 徹生*; 山本 悦嗣; 大國 仁*; 大貫 惇睦*; 伊藤 光雄; 木村 憲彰*
Japanese Journal of Applied Physics, 37(6A), p.3604 - 3609, 1998/06
被引用回数:39 パーセンタイル:81.79(Physics, Applied)超高真空中固相電解によるウランの精製に成功した。特にFe,Ni等について、電流の効果が大きい。また、Mn,Zn等は完全に蒸発する。他方、Al等は熱による拡散が主に効果的であることが明らかになった。
芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 本間 徹生*; 木村 憲彰*; 辺土 正人*; 大國 仁*; 青木 大*; 伊藤 光雄; 大貫 惇睦*
Physics of Strongly Correlated Electron Systems (JJAP Series 11), p.269 - 271, 1998/00
超高真空固相電解を用いて金属ウランを精製した。精製前には例えばFe不純物の濃度は40ppm以上であったが、精製後は1ppmまで減少した。Ni濃度は陰極付近では減少したが陽極では逆に増加した。これは、電流による不純物の掃き寄せと解釈できる。一方、Alは試料中央で最も濃度が低く温度の低い両端で高くなっている。これは熱拡散による移動であると考えられる。このようにして精製したウランを用いてウラン化合物を育成した結果、残留抵抗比やドハース・ファンアルフェン効果など試料純度の指標となる物理量が著しく改善された。
神永 敦嗣; 新井 貴; 児玉 幸三; 佐々木 昇*; 西堂 雅博
真空, 41(10), p.846 - 850, 1998/00
JT-60は、真空容器を中心にその周りをトロイダル磁場コイル、中性粒子入射加熱装置、ガス注入装置等の多機能にわたる各種装置が設置された集合型の大型超高真空装置であり、高性能なプラズマを実現するためには、不純物の原因となる真空リークのない良好な真空状態を保つ必要がある。このため、リークテスト技術は、不可欠な技術であるとともに効率的、高信頼度かつ効果的に実施できるリークテストの方法を採用することが必須である。JT-60では、被試験箇所を区分して、それぞれの領域にヘリウムガスを吹き付ける吹き付けポート(マニホールド)を設置するとともに遠隔式及び手動式の両方でヘリウムガスの吹き付けができるプローブガス供給系を設けたこと、リークテスト装置としては、重水素の存在する条件下でヘリウムの検出感度が低下しない装置としたことの2点を特徴とする方法を採用しリークテストを行っている。
新井 貴; 正木 圭; 宮地 謙吾
真空, 41(10), p.841 - 845, 1998/00
臨界プラズマ試験装置(JT-60)に代表される核融合実験装置では、不純物の低減対策としてベーキングを行っている。今回、JT-60のような巨大な真空容器を300Cまでベーキングするための工夫、及びJT-60の真空状態について概説する。JT-60は、真空容器の昇温方式を高温窒素ガス及び電気ヒータにより行っている。ベーキングする際、熱膨張による変位、温度差による熱応力の発生が問題となる。JT-60では、真空容器支持機構を摺動させることにより対応しており、熱応力については、ベーキング制御の中で温度差のつかないような運転を行っている。JT-60の真空状態は、ベーキングで行うことにより一般の超高真空装置と同様の残量ガス成分となっており、不純物の低減に大きな成果を得ている。
三代 康彦; 荻原 徳男; 西堂 雅博; 林 尚樹*; 鶴田 浩一*
真空, 38(3), p.274 - 277, 1995/00
Spindt型冷陰極電子源(素子)は電子放出の際ほとんど発熱しない。これを従来の熱陰極電子源に代わり真空計測に用いた場合、周辺部材からの放出ガスを少なくできる。ところが、素子から電流を引き出す時少量ながら放出ガスが存在することが分かった。超高真空では極力放出ガスを減らす必要がある。そこで放出ガスを減らすため素子に熱処理を施した。試験方法は(1)赤外線加熱炉を用いて特定の温度で素子に熱処理を加える。(2)素子から電流を引き出し四重極質量分析計にて分圧を測定する。電流引き出しによって、H、CH、HO、F、CO、COが放出されることが分かった。素子に400Cの熱処理を加えることでガス放出がおさえられることが確認できた。但し、熱処理については取扱いによって、寿命に大きな差が出る。以上、本素子を用いて真空計測を行うことが可能であることが確かめられた。
小川 雅生*; 須藤 収*
PNC TY1607 93-001, 12 Pages, 1993/03
中性子の少ない核融合反応を用いてエネルギーを取り出すことを指向した研究の基礎実験を行なった。エネルギーが1020keVの陽子分子イオンビームを入射し、解離した原子イオンをミラー磁場の中に閉じ込める基礎実験装置は昨年度に完成した。今年度はこの実験装置における原子イオンの閉じ込め時間の測定を中心とした研究を行なった
荻原 徳男; 上田 泰照*
真空, 36(3), p.325 - 327, 1993/00
超高真空の計測への応用を目的として、Spindt型冷陰極電子源を市販の四重極質量分析計のイオン化室に組み込んで、放出ガス特性を調べた。その結果、(1)Spindt型冷陰極電子源からの放出ガスとしては、H、O,F,CO,COが主なものである。Fは素子の製造プロセスに起因する。(2)同電子源を用いた分圧測定では、HOのピークが極微少であり、熱フィラメントのように周囲の電極を加熱することなく分圧測定が可能である。ことがわかった。Spindt型冷陰極電子源を脱ガス処理することなどにより、放出ガスの低減を試みる予定である。
横倉 賢治; 池田 佳隆; 菅沼 和明; 永島 孝; 池田 雅俊*
真空, 31(12), p.945 - 953, 1988/12
超高真空用絶縁継手のコバール金具の応力腐食割れは、材料の加工、引張り応力の残留、腐食性イオンの存在条件が、それぞれに重複したことにより発生したことが明らかになった。また、超高真空用装置に着用する部品として製造されたベーキング用断熱材に、応力腐食割れを誘因する可能性を指摘できる塩素イオンが含有、また、ベーキング時には、ガスとなって発生していたことが確認された。本件の応力腐食割れは、高度な技術力と多くの使用実績の間を縫って発生したもので、腐食という問題が、見逃され易い盲点から発展する可能性が高いことを示した。
清水 正亜; 清水 徹*; 秋野 昇; 山本 正弘; 高津 英幸; 大久保 実; 安東 俊郎; 太田 充; 梶浦 宗次*; 松本 潔
日本原子力学会誌, 29(12), p.1108 - 1115, 1987/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)臨界プラズマ試験装置JT-60の真空容器の加熱冷却装置及びその試験結果について述べる。JT-60の真空容器には超高真空対策の一つであるベーキングなどのために最高500Cまで加熱でき、かつ比較的短時間で冷却可能な加熱冷却装置を設けた。加熱には電気ヒータ、冷却には水または窒素ガスを用いた。現地における真空容器組立後のベーキング試験の結果、到達温度、昇温時間、温度分布などは目標値を十分に満足し、また到達圧力、放出ガス速度なども仕様を満し、ベーキング後の真空リークもすべて検出感度以下であった。また、昇降温時の熱膨張変位に対して摺動部も正常に作動することを確認した。
清水 正亜; 大久保 実; 山本 正弘; 高津 英幸; 安東 俊郎; 中村 博雄; 秋野 昇; 川崎 幸三; 浦川 宏*; 大都 和良*; et al.
Nucl.Eng.Des./Fusion, 3(4), p.249 - 264, 1986/00
結界プラズマ試験装置JT-60は主半径3m、副半径0.95m、トロイダル磁場4.5T、プラズマ電流2.7MAの大型トカマク実験装置である。この本体は主として真空容器、トロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイル及び架台から成る。これら各構造物には超高真空、強大な電磁力、高熱負荷及び複雑な幾何学的条件などにより厳しい設計条件が課せられた。1978年4月に設計を開始し、現場の据付は1983年2月から1984年10月まで行われ、さらに1985年3月まで各種試験が行われた。ここでは、これらの設計、製作、組立および試験について報告する。
横倉 賢治; 椛澤 稔
真空, 24(7), p.399 - 407, 1981/00
ポリイミド樹脂は、一般に電気絶縁材料として広く利用され、商業ベースに乗ったプラスチックの中でも最も耐熱性に優れている材料に分類できる。現在の核融合真空装置では、超高真空に対する基礎的部品等がまだ開発途上にある。この中でもメタルシールの欠点を補うことのできる真空シール材の必要性が問われている。本論文では、ポリイミド樹脂の高温下における優れた特性を超高真空部品に応用し、実験を行った結果を報告する。実験は、真空特性として重要である気体の透過率、放出ガス率の測定および、高耐熱型ゲートバルブの製作と性能実験と電気絶縁を兼ねた真空シールガスケットの開発を行った。ポリイミド樹脂は、250~300Cの加熱条件においても、真空的に優れた性質を示し、種々の応用が実現できることが確認できた。
山本 正弘; 清水 正亜; 中村 博雄; 高津 英幸; 西郷 奉素*; 太田 充; 吉川 允二; 伊藤 吉保*; 佐藤 弘*; 唐津 義憲*; et al.
日本原子力学会誌, 20(4), p.258 - 272, 1978/04
被引用回数:6原研で建設が開始された臨界プラズマ試験装置(JT-60)の真空容器は主半径約3m、小断面長径3m、短径2.3mの卵形状であり、厚肉リングとベローズが交互に配された複合体である。プラズマを閉じ込めるための真空容器は到達真空圧力110torrを目的とする世界にも例のない大型の容器である。真空容器は最高運転温度400Cの下で、大気圧、電磁力、熱膨張などによる応力及びプラズマからの高熱負荷などを繰返し受ける。また真空容器はプラズマ電流立ち上げ条件から1.3m以上の電気抵抗を有する必要がある。これらのきびしい条件から強度解析、使用材料の検討、超高真空対策のための表面処理法、容器及び各構成機器の製作技術などの開発が必要となった。これらの諸問題解決のため、各種調査、各種モデル製作及びこの製作モデルを使用して実施した試験等の結果、それぞれについて良好な結果が得られ、実機製作の見通しが着いた。
神谷 潤一郎
not registered
【課題】ゲッター作用によって排気を行い、最大捕獲分子数が多くかつ使用寿命の長い真空部品を得る。 【解決手段】真空容器10はTIで構成される。この中心軸に沿った部分において、真空容器10の内面10Aよりも十分に小さな電極面20Aを有し中心軸に沿った中空の円筒形状の電極20が設けられている。この真空部品1においては、内部にARを導入して電極面20Aを正電位としてDC放電を発生させる第1の状態、ARを導入せずに電極面20Aを接地電位とする第2の状態、内部にARを導入して電極面20Aを負電位としてDC放電を発生させる第3の状態、のいずれかを実現することができる。この真空部品1による排気は、第2の状態において行われる。また、電極を用いずに400℃以下の加熱をする状態を実現することでも真空部品1による排気が行われる。
神谷 潤一郎; 和田 薫
桜井 充*; ナン ティン ティン トゥエ*; 上原 孝浩*; 馬渕 拓也*
【課題】高い真空排気性能を実現することができるターボ分子ポンプを提供する。 【解決手段】ターボ分子ポンプ1には、回転の軸線AXに沿って複数段のロータ翼31Aを有するロータ30と、軸線AXに沿って複数段のロータ翼31Aの間にそれぞれ配置される複数段のステータ翼14Aと、それらのロータ30、及び複数段のステータ翼14Aを内部に収容するケーシング11と、が設けられる。そして、それらの複数段のロータ翼31A、複数段のステータ翼14A、及びケーシング11を含むそのケーシング11の内部の少なくとも一部は、その素材に含まれるガスを放出させるための真空ベーキング処理が施された材料によって形成される。
神谷 潤一郎
not registered
【課題】コーティング層の剥離が発生しにくいコーティング方法を得る。 【解決手段】この真空部品1においては、ARが導入されて前記のように電極20が正電位とされた場合(第1の状態)には、真空容器(部材)10内の実線矢印で示されるように、DC放電によって生成されたAR(正)イオンが負側となる真空容器10の内面10Aに衝突する(第1の工程)。このイオン衝撃によって、TI酸化物層をスパッタエッチし、除去することができる。この場合におけるTI酸化物層のエッチング深さは、スパッタリング時間(DC放電時間)、スパッタリング電流等によって調整することができる。TI酸化物層が除去された後で、ARが導入されて前記のように電極面20Aが負電位とされた場合(第3の状態)には、前記とは逆に、AR(正)イオンは負側となる電極面20Aに衝突する(第2の工程)。